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2021-01-17

坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ : 坂東三津五郎/編・長谷部浩

『坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ』 坂東三津五郎 編・長谷部浩

 昨年は二月以降多くの舞台公演が中止を余儀なくされました。秋になってようやく再開した博多座で、十一月に海老蔵さんの公演を観ました。

 演目には『勧進帳』ほか、華やかな舞踊がならんで心が浮き立ちましたが、なかでも巳之助さんが踊った『流星』と『茶壷』は、色彩の美しい、明るく可笑しみのある踊りで、観ているうちに、自分でも気づかず溜め込んでいた心と身体のこわばりがするすると解けて、気持ちが丸く和んでいくのがわかりました。すごく救われた。ありがたかった。

 ワンピース歌舞伎では目を見張る活躍で、舞台写真を買い漁ったんだけども、いまこの時期にこういう演目を選んで踊ってくれた巳之助さんという役者のことをもう少し知りたくなったのです。巳之助さんご本人のことではないけれども、巳之助さんも受け継いでいらっしゃるであろう大和屋の芸、大和屋の精神といったものに触れられるといいな・・・と、いずれ読もうと思っていたこの本を読んでみました。

 うん、今読んで良かった。歌舞伎を観始めて2~3年の中級者に向けたものということだけども、そんなに頻繁に歌舞伎を観ているわけではない私には今くらいがちょうどよかった。

 入門書やらパンフレットには『ココが見どころ!』的なことが書いてあるから、「ここが見どころなんだろうな~」と思いながら観てはいても、正直なとこなんだかまだ味わい方がよくわからない『河内山』や『毛谷村』、なかなか共感できず入り込めない心中もの。長らく「ようわからん」と思ってたけど、やっと少しわかるようになってきた『俊寛』(仁左衛門さんの俊寛でやっとその人物に触れた気がした)とか『魚屋宗五郎』(高麗屋さんの襲名公演で感じた白鸚さんの宗五郎や亀鶴さんの三吉がつくる空気感! あと最近読んだ杉浦日向子氏の本のおかげもある)。そして、十一月に観た『勧進帳』に思ったこと。

 私が歌舞伎を観ながら感じてること、思っていることの答え合わせのように読むことができたし、「よくわかんない」のには理由があるってこともわかってくる。そして、まだ観たことのない演目を「いつか観られたらいいな。」と心のメモ帳に書き記す。

 それからもひとつ、シネマ歌舞伎でしか観たことがない演目だけど、「火消しと力士が喧嘩するって、それだけの話?」と思ってた『め組の喧嘩』になんであんなに胸がアツくなったのかがストンと納得できたこの言葉。
 歌舞伎俳優にとって『め組の喧嘩』は、そのDNAがはっきりわかる芝居なんです。~略~
 
 鳶の者が命を懸けると誓って草鞋に水を掛ける。鳶口を片手に喧嘩場へ駆けていく。それを迎える相撲取りも丸太を抱えて準備を怠らない。~略~ この高揚感を持てるか、持てないかで、芝居の出来が変わってきます。もともと内容の薄い芝居だけに、役者のDNAが身体の内から高揚していくことが、とても大切な要素なのです。




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