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2019-04-13

あの家に暮らす四人の女 : 三浦しをん

『あの家に暮らす四人の女』 三浦しをん

 しをんさんの小説を読むのは3年ぶり。読み始めて少しして思う・・・゛やっぱり読みやすい”。たしかエッセイに書かれていたと思うのだけど、しをんさんは何度も音読をして作品に手を入れるのだとか。そこから生まれるのであろう心地よいリズムにのった筆運び。思わずニヤニヤくすくすしてしまうひねった言葉、言い回し。滑るようにページが進む。

 ただ、スイスイとページは進むのに、なかなか「没入」が来ない。四人の女たちの暮らしぶり、キャラクター、関係性・・・などなどからして、以前ならもっと登場人物の誰かに共感したり、感情移入したり、杉並の木立を透かす日差しや、梢を吹く風、雨や土の匂いまで感じられるほど夢中になったり・・・容易に出来てたはずなのに。ページをめくりながら私はずっと本の外から四人の暮らしぶりを眺めてる。どうしたことだ。

 一体何が変わってしまったのか。私の中の何かを感じ、共感する力はこうも衰え、鈍ってしまったのか。この先、物語や小説に激しく心揺さぶられることはなくなっていくのか・・・と嘆かわしくなってきた。

 しばらくオロオロと考えていたのだけど、何もそんなに悪いことじゃない・・・の・かもしれない。鶴代と佐知母娘の関係や、穏やかな中にも細々とした問題や屈託をかかえて暮らす佐知、雪乃、多恵美の言動に、以前ならいちいち波立っていた私の中のコンプレックスやわだかまりは、いつのまにか大半が消化され凪いでいるということでもあるのだろう。ここまで来るあいだには、きっと色んなものに寄り添ってもらっていたんだろうなぁ、私。
 
 初めてしをんさんの小説を読んでから、もう15年近くたつんだなぁ。歳をとったんだなぁ、私。でも佐知たちは、10年後に本を開いたとしても今の歳のままで、四人(五人?)で一つ屋根の下に暮らしていて、そしてまた、本を開いた誰かに寄り添ったりするんだろうなぁ。

  

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