2007-04-21

花咲く乙女たちのキンピラゴボウ : 橋本治

 高校時代の国語の先生は、若いうちに読んでおくべき面白い本を色々紹介してくれて、この橋本治氏による少女マンガ論もそのうちの一冊だったのですが、“いつか読まなきゃ”と思いつづけてこの歳になってしまった。長い長い時を経てやっと読みました。

 長い間手が付けられなかった宿題を終えた気分ですが、自身のマンガ体験に照らし合わせて、“ああ、あれは・・・そういうことだったのかぁ・・・”なんて改めて目を開かれるというというんではなく・・・何と言うか、私にとってはまったく一つの異文化見聞でした。

 そもそも、10代の殆どを「週刊少年ジャンプ」を読んですごした私の思春期に、少女マンガは存在しないというか、少女マンガに対する思い入れがないというか、少女マンガに対する感性が欠けているというか・・・

 本論で取り上げられている少女マンガの9割方を私は読んでおらず、7割方はタイトルすら知らないという始末でした。わずかに読んだことがあるのは「ポーの一族」と「トーマの心臓」くらいですが、それも二十歳過ぎてから、古典作品を鑑賞するようなつもりで読んだのであり、私はやはり、リアルタイムで少女マンガに胸ときめかせたり、少女マンガの登場人物達と想いを共有したりしたこと無いのです。

 私が少女マンガを読まなかったのは、女子中・女子高・女子大と、10年間女の子だけの中で過ごしたからではないか、という気がふとします。13歳から18歳という大切な時期に、クラスを見渡しても女の子しかいない女子校という、現実感の一部が欠けた、隔離された環境の中で、ぽよぽよと漂っていますと、幸か不幸か、この世に男の子がいるということをだんだん忘れてしまうのですね。それと同時に自分が女の子だという意識も薄くなっていきます(みんなそうだというわけではありませんが)。

 女の子としての自意識が未発達なもんですから、そういう時に少女マンガなんて女の子臭のするものを見せられると気持悪いのです。そんなわけで、多分私は、女の子の現実がちっとも含まれてない「ジャンプ」ばっかり読んでたんじゃないかと・・・。

 少女マンガ体験が無い私にとって、触れた事のない異文化を目の当たりにしているようだった本論ですが、当時大島弓子や萩尾望都、山岸凉子を愛読していた、少女マンガ体験者には違った意味で堪らない、身震いする内容ではないかと思います。三浦しをんさんも、「橋本氏はなんでこんなに“わかる”のか?!」というようなことを、エッセイで書かれていましたし。

 橋本氏が語り、明かしていく、少女マンガの女の子たちの変身は怖ろしくも感動的でした。 

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