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2019-01-12

歌舞伎の愉しみ方 : 山川静夫

『歌舞伎の愉しみ方』 : 山川静夫

 ド派手な衣装に大仰なキメ台詞、キメポーズ。並み居る美形に、敵も味方も個性豊かで多彩なキャラクターたち。緩急自在のリズムにのって繰り広げらるアツいバトルに人間ドラマ。気分を高揚させ感情を揺さぶるかっこいい音楽。『ジャンプ』を読んで育った私にとって、鼻息の荒くなるものがいっぱいつまっていた歌舞伎の舞台。

 初めて観た歌舞伎が先代猿之助さんのスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』だった(大学受験で上京していたのをいいことに、親戚に頼み込んで新橋演舞場につれていってもらった)というのも大きいのだけど、以来ずっとマンガやアニメを楽しむのと同じ感覚で歌舞伎を観てきた。

 でもね、歌舞伎にはもっともっとちがった見方、楽しみ方が数多くあるだろう。いろんな人のいろんな楽しみ方をちょっとだけでも味わってみたい・・・ということで、まずは歌舞伎好きとして名高い山川静夫氏の一冊。

 長年、歌舞伎を見て、味わって、愉しんでこられた氏の体験の中から、「歌舞伎を愉しむためのタネ」をたくさんちりばめて書かれた歌舞伎のあれこれ。「入門書」なんてしかつめらしいものではなく、「体験記」なんてパーソナルなものでもなく、歌舞伎好きの先輩が「一緒に歌舞伎を観にいきましょう♪」と誘ってくれているようで、やさしく、ふわふわと幸せな気分がわきあがってくる。

 あたたかく、やさしい語り口の中で、ピリッとしたひらめきや、ドキリとする気づきをもたらしてくれる事柄もあった。「『勧進帳』は、私にとって『駅馬車』です」と仰った淀長さんのエピソード(淀長さんは映画を観る目で歌舞伎を愉しんでいらしたのだ!)、腹を切ったあとも延々と長ゼリフをきかせる勘平に鑑賞に来ていた学生の口からたまらず漏れたぼやきの話、歌舞伎の舞台に出る馬を笑う人、笑わない人に関する戸板康二氏の言葉、また、舞台を彩る粋な男たちの身体にはそこはかとなく江戸っ子の「はじらい」や「はにかみ」が存在しているような気がするという著者の審美眼などなど・・・。



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