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2018-11-24

ヘンな日本美術史 : 山口晃

『ヘンな日本美術史』 山口晃

 三浦しをん『風が強く吹いている』単行本の装画のいい感じ具合がとても好きで、以来、画家・山口晃氏の名前にはちょっと反応してしまう。TVのドキュメンタリーなどを見ての印象は、むずかしいことも、ややこしいものも軽々と描いているように見える「ものすごく上手い人」。

 タイトルに『ヘンな』とあるからには、『すゞしろ日記』のようなユルさと可笑しみ漂う内容かと思ったのだけど、語り口はやわらかながらも、虚心坦懐、真摯に先人の絵と向き合った「山口晃流日本絵画の見方」というべき真面目な絵画論。でも、新聞や教科書や専門書なんかに載る美術評論に比べると『ヘン』なのかなぁ~、もしかして。

 私にとってはすごく気になる、「あ、そこもうちょっと詳しく・・・」ってことが、第一章「日本の古い絵」の鳥獣戯画のくだりで語られている。
 日本の美術を考えたとき、私は「枠」とか「入れ物」という言葉が思い浮かびます。他の国の人たちが中身で勝負するときに、日本人というのは外側でそれをするのです。器とか枠と云ったもので何か物事と向き合うような所がある。

 これ、歌舞伎の魅力にも通じるとこじゃないかと思うのです。私が魅かれてやまない何か。技のかぎりを尽くしてこの上なく美しく精緻につくられた「入れ物」。「枠」や「入れ物」があることで生まれる「中空」。そこに何物かが湛えられている、または流れ込んでいく様を思うとザワザワして仕方がないのです。


  

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