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2018-05-12

誰よりも美しい妻 : 井上荒野

『誰よりも美しい妻』 井上荒野

 先日読んだ書評集『熱い読書 冷たい読書』の中で気になった作品の一つなんだけど・・・ひとくちで感想を言うのが難しい。

 ヴァイオリニストの安海惣介とその美しい妻・園子を中心に、息子の深、惣介の前妻や愛人たち、惣介の友人で園子に想いを寄せる広渡、深が恋をしているクラスメイトの岩崎みくとその家族・・・つながっては離れ、離れてはからまるそれぞれの想いや関係性がモザイク模様のように描かれる。

 ある意味とても純粋な・・・欲求や生理や想いがそのまま言動として表現されてしまう惣介は、小説の登場人物として読めば、そのいちいちの言葉や行動に「は?」と眉を顰め、「無理無理無理無理」と全力で拒絶してしまいそうな人物なのだが、もし惣介と一緒に暮らしているのだとしたら・・・私も園子のように~園子がいないと生きていけない惣介の「誰よりも美しい妻」に~なってしまうのかもしれない。何となくそれは皮膚感覚のようなもので感じるというか、わかる・・・というか・・・。

 妻の中の自分が消えてしまうことを何よりも恐れる夫と、自分の中の夫が消えてしまうことを何よりも恐れる妻。自分の存在のためには相手の存在が絶対に必要な~失ってしまったら命にかかわるほどのもの・・・そういうもので結びついた二人は確かに・・・幸福なのか不幸なのか・・・。  

 

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