2017-05-06

厭な小説 : 京極夏彦

『厭な小説』 京極夏彦

 京極さんが「厭な小説」と言うからには本当に厭なモノなんだろうと思った。ならば、わざわざ「厭な」とことわってあるものを、読まなきゃいけないだろうか? さらには、京極さんが「厭な」と言ってるモノを受けとめる気力、体力が私にあるんだろうか? そんなわけでずっと読むのをためらってきたのだが、京極さんの書くものだから「厭」だけではないだろう、と意を決して読んでみた。

 はたして・・・厭だ。これは厭だ。しんどい。でも、ちゃんとエンターテイメントとして成立してた。もっとも、エンターテイメントであるかどうかなんて受けとめる人次第ではあるけれど。例えば、世の中では歴としたエンターテイメントとして通ってるホラー映画や絶叫マシンは、私にとってはただただ腹立たしいまでに嫌なものでしかないし・・・。

 でもねぇ、見返し、目次・・・と頁を捲っていくと、ご丁寧なことに第一篇「厭な子供」の扉頁のノドのあたりに、読書中にまぎれこんだらしい蚊の死骸がぺしゃんこになって貼りついているのだ。目にした途端、「ああ・・・」と、がっかりするというか、哀しいというか、萎えるというか、それでいて懐かしい、何とも言えぬ気持ちになる。これはやっぱりエンターテイメントだろう。

 ただ、二つだけエンターテイメントとして受け入れるにはきついものがあった。一つは「厭な子供」の中で、語り手の妻にふりかかる出来事。女性としてはやはり辛い、受け入れ難い。もう一つは作中に登場する嫌な上司・亀井部長。最後の一篇「厭な小説」での彼の言動のまあ不愉快なこと! あまりのヒドさに、あやうく読むのやめてしまうとこだった(苦笑)。冷静になって考えてみれば、それだけ感情をゆさぶられたってこと。



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