2007-04-07

声の網 : 星新一

 「星新一のインターネット小説」と書店のPOPで紹介されていた。興味をひかれて読んでみる。そして、この小説を読んだ人の大半が口にするのではないかという言葉が、やはり頭をかけめるぐ。

 「この小説が30年以上も前に書かれていたなんて!」

 ちょっとした調べもの、銀行の振込、ショッピングの決済、健康診断や簡単な診療、忘れたくないデータの保管まで、すべて電話一本でできてしまうよう生活の隅々にまで張巡らされ、膨大な個人情報を蓄積した通信網。その網を通じてある日受話器から届けられる“声”。

 ある時はこれから起こる犯罪を予言し、ある時は誰も知らないはずの秘密を語り、またある時は死んだはずの人の声が受話器の中で蘇り・・・。

 12の章で構成されたこの小説、1つ読む毎に1枚ずつベールが剥がされ、それぞれの話がリンクし全体像が見えてくる・・・。

 自分と一本の線でつながった世界から幅広いサービスを享受しながら、その実、線の先の世界を詳しく知ってはいないということとか、“沢山の情報の集積”と“人格”との見分けがつかなくなるということとか・・・。この小説の中で起こる多くのことが現在の状況と合致する。

 “サービス”の枠を超え始めた受話器からの“声”に嫌悪と恐怖を抱きながらも、いつのまにか“声”にコントロールされることによって、人は(上辺だけの?)安定を手にし、周囲の人とバランスのとれた(まやかしかもしれない)社会に安住しようとしはじめる。

 人が本当に望んでいるものって・・・?

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