2014-12-06

これが本当の「忠臣蔵」~赤穂浪士討ち入り事件の真相 : 山本博文

『これが本当の「忠臣蔵」 赤穂浪士討ち入り事件の真相』 山本博文

 赤穂浪士の吉良邸討入り事件を、残された史料~当時の調書、関係者たちの覚書、手紙などを参照しながら読み解いていく。

 自分で古文書が読めるわけではないので、史料の選択も、解釈も著者の考えをまるっと受け入れるしかないのがもどかしいといえば、もどかしい。浅野内匠頭正室・瑶泉院の用人・落合与左衛門による『江赤見聞記』をはじめ様々な史料がひかれているが、新書ということもあって、その内容はかなり噛み砕いて紹介されているので、原史料から感じられるであろう武士の社会のしかつめらしさが味わえない。

 とはいえ、史実としての赤穂事件のあらましを一通り頭に入れるという意味では、読みやすくわかりやすい。

 著者が数々の史料から読みだしたのは、赤穂事件を貫く「大義」と「武士の一分」という価値観、「大義」と「武士の一分」を貫くため、討入りの日を期して一途に行動した浪士たちの姿。筆頭家老として、まずは家名の存続を、その望みが絶たれた後は公儀の片手落ちの裁定の是非を問う行動に出た大石内蔵助の「大義」。主君をむざむざ切腹させたまま生き延びては・・・と、命よりも「武士の一分」を重んじた浪士たち。

 ・・・やっぱりそうなんだろうか。

 「忠臣蔵」を題材にした文芸作品には様々に穿った見方をしたものや、奇想天外な着想で書かれたものがあって、読んでいるとそれぞれに説得力がある。で、「大石内蔵助って実は討入りなんてしたくなかったんじゃないの?」と思ったりもしていたのだけど・・・。何か、原点にもどった気分です。

 赤穂事件は色々に解釈できるのだと思うけど、四十七人の浪人が吉良邸に討ち入り、多くの人を殺したのは事実であって・・・。戦さの世の遠くなった時代に、こんな本気の戦闘の計画を一年十ヶ月もの長い間ひそかに練り続け、実行した浪士たちの孤独とその異常さを思うと、ぞっとすると同時に悲しくもなる。

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