2014-09-20

輝く日の宮 : 丸谷才一

『輝く日の宮』 丸谷才一

 先日読んだ宇月原晴明の『かがやく月の宮』のラストには、輝く月の姫君の物語に魅せられた一人の女性が、光り輝く貴公子の物語を書き始める場面が描かれた。で、こちらのタイトル『輝く日の宮』とは、『源氏物語』に存在したかもしれない幻の巻の名前。

 果たして、 『源氏物語』に幻の巻「輝く日の宮」は存在したのか?

 かなりな長編をけっこう夢中で読んだけれど・・・ 面白かったんだろうか? 私はこれを楽しんで読んだんだろうか? ん~? 曖昧である。たまたま、年明けから夏にかけて『源氏物語』を読んだところだったので、国文学者である主人公・安佐子が語り、考察する『源氏物語』成立に関するあれこれは刺激的だったし、『源氏』の読み方を教えられた部分もある。でも、もしこの夏、『源氏』を読んでいなかったらどうだったろう?

 主人公が国文学者ということで、『源氏物語』以外にも松尾芭蕉、為永春水、泉鏡花らの文学に関する知見、考察、感想、感慨が多く記されている。特に前半は『奥の細道』において、「芭蕉はなぜ東北に行ったのか」ということに費やされている。

 そういう文学的なあれこれに、安佐子の私生活~一人で過ごす時間や、女友達との交流、家族との会話、学会でのバトル、男たちとの色事がからんでくるのだけど・・・ この安佐子という女性にほとんど関心が持てなかったことが、読後感を曖昧にしているんだろうなぁ。

 安佐子が少女の頃に書いた短編小説(サスペンスのような、幻想小説のような)にからむ出来事が、折々に安佐子の現実の中に顔を出すのにも、何か作者の意図があるのだろうけれど、その意図も私には推しはかれなかったんだよなぁ~。



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