2014-09-13

竹取物語 : 文・江國香織 画・立原位貫

『竹取物語』 文・江國香織 画・立原位貫

 先日、宇月原晴明氏による伝奇的な『竹取物語』、『かがやく月の宮』を読んでいて、改めて本来の『竹取物語』を読みたいと思ったのです。『竹取物語』を読むのにこの本を選んだのは、江國香織さんが、かぐや姫という女性をどのように書くのかということに少し興味があったからなのだけど、あまり余計な色付けはされていませんでした。

 学校の授業を離れて、「物語」として読んでみて印象に残るのは、あくまで「異界の生き物」であるかぐや姫の姿。五人の求婚者たちにはもとより、長年慈しみ養ってくれた竹取の翁とさえ、何ら心に通じ合うものがなさそうな。人と同じ姿はしていても、完全にこの世の理屈とか情といったものの外に在る生き物。

 そんな姫が帝と心を通わすようになったのは何故なんだろうなぁ? 帝、よほど美男でいらしたのだろうか。それとも、深い深い想いにほだされて? う~ん、やっぱり「帝だから」?

 ようやく人の世のあわれをも解するようになる姫であるが・・・
  

 ふと天の羽衣うちきせたてまつれば、
 翁を「いとほし、かなし」と思しつることも失せぬ。

 天人はかぐや姫に、すばやく羽衣を着せ掛けます。
 それで、姫のなかにあった翁への感謝も同情も
 消えてしまいました。


 再び、心の通じぬ異界のものとなって去っていくかぐや姫。

 この世の人々の心をあれだけ掻き乱した美しいものが、この世と通じ合うものを持たない全く異なる世界の生きものだという冷厳な事実。そう思うと、立原位貫氏の版画も雅やかなだけではなく、あやしくざわめいて見える。



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