2014-08-09

幻想怪奇譚の世界 : 紀田順一郎

『幻想怪奇譚の世界』 紀田順一郎

 「夏だし、何か怖いもの読もう」と思い立ったのだけど、「怖いもの」といっても一体どのあたりに手を付けようか? という思いもあって(数年前の夏にはイギリスのゴシック短編集を読んでみたものの、ちっとも怖さを理解できず大失敗!ということもあったので)、まずはガイド的なものを。

 文庫や全集の解説として書かれたものが多く、第一章は日本の作家、作品について ~ 小泉八雲、泉鏡花、夢野久作らの作品世界や、乱歩、海野十三、小栗虫太郎ら推理小説やSFと幻想怪奇的なものがないまぜになっていた時代の作家たちについての解説、「百物語」という怪異を生む、体験する「場」についての考察など。

 第二章はルイス・キャロル、H.G.ウェルズ、ガストン・ルルー、アルジャノン・ブラックウッド、アーサー・マッケン、サマセット・モーム、H.P.ラヴクラフトら海外の作家が生んだ幻想怪奇の作品空間についての分析 ~ その背景、成り立ち、特質。

 第三章に翻訳もの短篇を三作品収録。フリードリヒ・フーケ「ウンディーネ」、アルジャノン・ブラックウッド「とびら」、ウォルター・デ・ラ・メア「なぞ」。お伽噺のようだったり、SF的だったり、純然たる怪異だったりと味わいは異なるのだけど、やたらとデコデコ飾り立てず、さらりと描き出された怪異と不思議の感触は、岡本綺堂の怪談の肌触りにも似ているなぁと思った(まぁ、翻訳ものだから原文の味わいはまた別かもしれませんが)。

 んで、この夏、「怖いもの」は何を読もうか・・・ですが、本書にはまったく関係なく、上田秋成の『雨月物語』にしようかと。(この夏には無理かもだけど、本書で興味を持った海野十三「深夜の市長」もいずれは・・・) 



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genre : 本・雑誌

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No title

はじめまして。
いつも参考にさせていただいております(^^)
アリスの表紙は目を惹くものがありますね。

夏は怖いもの!というお気持ち、わかります。
もう読了済みかもしれませんが
『憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談』
オススメです。
収録されているのは「猿の手」など有名どころばかりなのですが、ゴーリーの挿絵が世界観を更に盛り上げています。

私は京極夏彦の『数えずの井戸』を読もうかな、と思っております。
やっぱり夏はヒヤリとした感触のものを求めてしまいますね。

No title

リネさま

こんばんは。ブログ拝見させていただいております。

『憑かれた鏡』・・・オススメ本の紹介ありがとうございます。
海外作品の翻訳ものはあまり読んだことがないので、収録作品のうち読んだことがあるのはおそらく「信号手」だけだと思います(その記憶すらあやしいですが)。
読む本リストに加えさせていただきます。挿絵の方も楽しみです。

『数えずの井戸』は私も以前読みました。
ヒヤリとすると同時にズシンとくる小説でした。
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