2014-07-19
どこかにいってしまったものたち : クラフト・エヴィング商會
『どこかにいってしまったものたち』
クラフト・エヴィング商會
「硝子蝙蝠」「記憶粉」と、『探偵青猫』
に登場するアイテムがいきなり二つ続いたものだから、……ちょっと興奮した。『青猫』では、「硝子蝙蝠」はここに記されているような不思議機械ではなく、美を愛する怪盗の通り名になっているのだけど。
『青猫』を描いた本仁氏も、このクラフト・エヴィング商會の不在品目録を見てたまらない気持ちになったんだろうか? 実在したのかどうかもわからない品々。ただ、残された断片からそのものを思うだけで何かうっとりとした、たまらない気持ちになる。思えば、孤島の城に住む怪盗、純情で惚れっぽい刑事、粋な女衒、異才の少年贋作師に、優雅でスマートな貴族探偵が大活躍する『青猫』の物語も「どこかにいってしまったものたち」の一つなのか・・・。
月光をあつめて撃ち出す光線銃。グラスに流星を溶かして味わうシロップソーダ。水蜜桃の食べごろを調査する猿型機械。「あるひとつの夜を忠実に記録し再生する」機械の終わらない解説書。明治、大正、昭和と「不思議な品」を扱ってきたクラフト・エヴィング商會の引き出しに、記録とその断片だけを残して今はもう無い、どこかにいってしまったものたち。見知らぬはずなのに懐かしく胸をしめつける品々。


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「硝子蝙蝠」「記憶粉」と、『探偵青猫』
『青猫』を描いた本仁氏も、このクラフト・エヴィング商會の不在品目録を見てたまらない気持ちになったんだろうか? 実在したのかどうかもわからない品々。ただ、残された断片からそのものを思うだけで何かうっとりとした、たまらない気持ちになる。思えば、孤島の城に住む怪盗、純情で惚れっぽい刑事、粋な女衒、異才の少年贋作師に、優雅でスマートな貴族探偵が大活躍する『青猫』の物語も「どこかにいってしまったものたち」の一つなのか・・・。
月光をあつめて撃ち出す光線銃。グラスに流星を溶かして味わうシロップソーダ。水蜜桃の食べごろを調査する猿型機械。「あるひとつの夜を忠実に記録し再生する」機械の終わらない解説書。明治、大正、昭和と「不思議な品」を扱ってきたクラフト・エヴィング商會の引き出しに、記録とその断片だけを残して今はもう無い、どこかにいってしまったものたち。見知らぬはずなのに懐かしく胸をしめつける品々。
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