2014-04-12

去年はいい年になるだろう : 山本弘

『去年はいい年になるだろう』 山本弘

 山本弘氏のSF小説を読むとどうもノスタルジックな気分になるらしい。と言っても、氏の小説を読むのはこれが2作目なのだが。このエントリーを書くにあたって、以前読んだ『アイの物語』 ~本作中でも重要なアイテムになっている~の感想を読み返してみたのだが、その時も私は何やらノスタルジーにとらわれていたようだ。

 2001年9月11日、ニューヨークのワールドトレードセンタービルに民間の旅客機が突っ込んでいったその日、24世紀の未来から「ガーディアン」と名乗るアンドロイドたちがやってきて、人の傷つかない未来へと歴史を改変し始める。

 「人間を守りたい」という本能を持つアンドロイドに優しく侵略、制圧された地球。作家・山本弘の前に未来の山本弘たちからのメッセージを携えて現れる、外見も中身も100%好みのタイプの美少女アンドロイド。無数のパラレルワールド。

 物語自体の感想としては、「う~ん、そーゆーとこに落ち着くのかぁ・・・」だったのだけど、この物語を読みながら、私の思いはずっと懐かしい過去に飛んでいたのだ。

 まず、私の頭の中のスクリーンにユラユラと浮かび上がったのは、〇十年前、私の通う女子校の学園祭に遊びに来ていたSFファンらしいお兄さん方の姿。私にとっての「SF」っていうのは、あの青年たちの姿をしている。

 次に私の心をとらえたのは1章の冒頭の言葉

 『二〇〇一年 かつて、この言葉には魔法のような響きがあったのを、僕は思い出す。』

 80年代の後半、『1999年の夏休み』という映画にハマっていた私にとって、少年たちが終わらない夏休みを繰り返す「1999年」は、作中の「僕」にとって「2001年」がかつて魔法の響きを持った輝かしい未来であったのと同様に、「世紀末」という特別なファンタジーの中にあった。

 もちろん現実の1999年は一日一日過ごす日常の延長にあって、苦しい思いで見つめ、憧れていた少年たちの「1999年」を横目に過ぎて、今ここで私は2014年を迎えているわけだけども。

『アイの物語』感想http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-266.html






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