2014-04-05

染五郎の超訳的歌舞伎 : 市川染五郎

『染五郎の超訳的歌舞伎』 市川染五郎

 趣味は「妄想」とおっしゃる染五郎さんのことだから、タイトルは『染五郎の妄想的歌舞伎』なんだと、しばらく勘違いしていた。染五郎さんが考える歌舞伎の二次創作的妄想ストーリーが語られるのかな、と。(余談だが、「妄想的」といえば、歌人・水原紫苑さんの『歌舞伎ゆめがたり』が凄い。『勧進帳』『助六』『四谷怪談』『鈴ヶ森』『籠釣瓶』などの演目をもとに語られる物語は、妄想的であると同時に確かにそれぞれの演目が秘めたもう一つの物語のようでもあった。)


 染五郎さんがとても楽しげに歌舞伎を語っている。“この楽しさをどうしたらわかってもらえるんだろう?”とモキモキしてる。

 一章「古典を味わい直す」では、『女殺油地獄』『籠釣瓶花街酔醒』『三人吉三』『仮名手本忠臣蔵』『東海道四谷怪談』など、歌舞伎を代表する名作を染五郎流深読み、裏読みを交えて紹介しているのだけど、やっぱり歌舞伎の筋って、今の理屈ではなんだかよくわかんない複雑怪奇なところがあって、「伝わるかな~」と染五郎さんも読者との距離を測ってる感じ。

 二章「名作との格闘」、三章「歌舞伎を作る」になると、その距離がぐっと縮まる、というか距離なんか感じなくなる。歌舞伎の名作、大役や、憧れのあの役、新作、復活狂言に取り組む、おそらく物凄い苦労。その苦労を苦労とも感じさせないほどの情熱だとか、高揚感、幸福感が止めどなく溢れてくる。

 二十代をキャアキャア言わせる歌舞伎。絶対実現させてほしい。私もそういうの見たいと思ってた。絶対、歌舞伎にはできるはず。楽しみにしてます、二十代じゃないけど。


(それにしても、染五郎さんの子供時代の妄想一人遊びっぷりはちょっと涙ぐましい。)




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