2013-12-14

妖説忠臣蔵 : 山田風太郎

『妖説忠臣蔵』 山田風太郎『山田風太郎妖異小説コレクション 妖説忠臣蔵 女人国伝奇』

 吉良家と上杉家との間に秘められた忌まわしき過去。上杉家の危機を救った行燈浮世之介の正体は~「行燈浮世之介」

 江戸城での変事を伝えるべく赤穂へ急ぐ早駕籠に付きまとう影~「赤穂飛脚」

 裏切り者は誰だ? そして裏切り者を斬ったのは? ~「殺人蔵」

 米沢の城の天守閣には変化が棲む?
 吉良上野介の米沢入りを阻止したい者たちの思惑は~「変化城」
 
 いつ来るとも知れぬ「その日」を待ちかね、あるいは貧苦にあえぎ、あるいは女に溺れ、堕ちていく同志を見かね、大石内蔵助の心底を質すべく京に向かった田中貞四郎が見たもの~「蟲臣蔵」

 『貝賀弥左衛門 この名をご存じですか?』~「俺も四十七士」

 巷に「上野介は生きている」という噂が流れる中、吉良邸跡に現れる白衣の老人。義挙の折、脱盟した赤穂浪人たちの不穏な動き。~「生きている上野介」


 山田風太郎が見せる“奇妙な「忠臣蔵」”。

 以前、吉右衛門さんの大星由良之助で『仮名手本忠臣蔵』七段目を観たとき、同志の苦衷、苦言、諫言は大あくびで聞き流し、廓遊びにうつつをぬかして心底楽しそうに女たちとじゃれあいながら、一方で遊女の一人や二人平然と殺してしまおうとする由良之助(内蔵助)に、「あれはもう深謀遠慮なんてものじゃなくて、ほぼ狂気だ。」と身震いしたのだが、「殺人蔵」や「蟲臣蔵」に描かれる内蔵助の怪物ぶり~豚のようにだらしなく女に戯れかかり、同志の死を平然と眺めるばかりでなく、必要とあらば手にかけることもいとわず、それでいて討入りの現場にはとても“いい顔”で立っている~は、さらに怪奇、不気味で・・・なんかこう・・・胃の腑からググッとこみ上げるものが・・・。

 地味すぎる侍・貝賀弥左衛門の「俺も四十七士」は滑稽さが妙に切ないやるせない話。人生で初めてたった華やかなステージでも、スポットライトから完全に外れてしまう弥左衛門の強烈な泣き笑い。中盤を盛り上げる悪妻との涙を誘う感動シーンも、読み終えて振り返ってみると、「いいとこは全部嫁に持って行かれちゃったんだなぁ~」と泣き笑いの顔がさらに歪む。

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