2013-11-02

想像ラジオ : いとうせいこう

『想像ラジオ』 いとうせいこう

 街を見下ろす高い杉の木のてっぺんあたりに仰向けにひっかかった男の軽妙なおしゃべりが、想像力の中だけでオンエアされる「想像ラジオ」。

 「『想像ラジオ』を受信する」「『想像ラジオ』にリスナーとして参加する」というのは、どこかで、誰かに起きた出来事の(何らかの形での)当事者になる・・・ということだろうか、と思った。それは、3月11日の震災の時に、「このことについて何か考えるためには、私も何らかの形で当事者にならないといけないのではないか」と思ったことがあったからなのだが・・・。

 だから、あの時起こったこと、そして今も続いていることについて考えることを忘れるままにしている自分を思い出さされ、責められているような気持ちにも、勝手になってしまったのだ。しかし・・・

 この小説の語るところは、「どこか遠くに満ちている悲しみ」から、大切な、愛する人を、かけがえのないものを失う、どうしようもない「私の悲しみ」へと収斂していく。「誰かの悲しみ」に共鳴するのではなく、誰にでも起こり得る、想像し得る、「私のもの」であるその悲しみを通じてつながるという可能性について・・・




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