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2013-10-05

歌舞伎ワンダーランド : 須永朝彦

『歌舞伎ワンダーランド』 須永朝彦

 『私、そういうこと話し始めると・・・止まりませんよ♪』

 っていう、猿之助四十八撰『新・水滸伝』の軍事オタクな女戦士・青華の台詞を思い出すなぁ。

 幻妖や異世界に魅かれてしまう質であるらしい著者が、歌舞伎に登場する「御家の重宝」「妖精・変化」「妖術」「魔人」といった、どちらかというと怪しくて、イカガわしいけど、とびきり魅惑的なものたちや、歌舞伎が醸す奇妙なトリップ感の源でもあるような『世界』というドラマの構造について語る言葉は、まさに立て板に水。読者がついて来ようが、来まいが、もう『止まりませんわよ。』って感じなのだ(笑)。

 歌舞伎のあまりに理屈を無視した展開に呆れ、あっけらかんとしたご都合主義に唖然とし・・・、『歌舞伎はもともと(略)戯曲的完成即ち文学的達成を目指さなかったから、部分的には燦然と輝くところがあっても、全体の論理を統べる文学的精神などは無きに等しい』と承知しているとは言いながら、アヤシげな「御家の重宝」が登場するたびに興味津々でワクワクを抑えられない様子の著者が、(失礼かもしれないが)可愛いというか、愛しいというか・・・。

 ああ、江戸吉原のモテ男・助六が実は源平時代の仇討兄弟・弟の曽我五郎時致で、源氏の宝刀「友切丸」を探索中であったり、蘇我入鹿の御殿に江戸時代の田舎娘が迷いこんでたりする世界にドプンとハマって、美しく妖しい夢幻に溺れたい。


 郡司正勝氏との歌舞伎の幻想性をめぐる対談の中で、歌舞伎においては、ただ幻想的なものだけが描かれるのではなく、夢幻的なものの中に非常に日常的なものが同居していることが指摘されている。なるほどなぁ・・・と思った。そこから生まれるんだろうなぁ・・・あの妙な、ちょっと目眩のするようなトリップ感は。




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