2013-06-01

夢魂独り飛ぶ―小説高杉晋作 : 古川薫

『夢魂独り飛ぶ―小説高杉晋作』 古川薫

 維新の成った後、松下村塾時代の師・富永有隣、同志・堀真五郎、白石正一郎、伊藤博文、愛妾であった梅処尼が晋作の思い出話を語る短編連作。

 小説を読む前に高杉晋作の生涯をおさらいしておこうと思って、先に同じ著者による評伝『高杉晋作―青年志士の生涯と実像』を読んだのだけど、これはちょっと裏目に出たかも。何か、書いてあることほぼ同じなんだもん。

 『高杉晋作―青年志士の生涯と実像』の方では、晋作の遺した足跡や言葉から、激情のままに走るかにみえて多くの局面ではあえて動かなかったその胸の内や、思いも行動も完全には誰とも共にすることがなかった晋作の孤独を読み取るなど、小説的な要素が感じられた一方で、こちらの小説は、先の評伝で書かれていた内容を、晋作と同時代の人たちを語り手にしてなぞっているだけで、物語的な肉付けとかふくらみがあまり感じられない。評伝の方では、あまり感情的にのめりこみすぎないよう、意識的に同郷の晋作との距離をとりつつ執筆したと、あとがきに記されていたが、この小説についても、何だか人物への没入が感じられず、各思い出を語る人物、語られる晋作の人間味というか、キャラクターも何か薄い。同じものを2回読んじゃったみたいで、ちょっと損をした気分。

 同じく、亡き高杉の姿を関係者たちが偲び、語るという形の短編連作に、竹田真砂子の『三千世界の烏を殺し―高杉晋作と妻政子』というのがあるが、あれは・・・なんかもう、たまらなく切なかったなぁ。


『三千世界の烏を殺し―高杉晋作と妻政子』感想
 http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-439.html

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genre : 本・雑誌

tag : 高杉晋作

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