2013-04-20

平家物語の怪 能で読み解く源平盛衰記 : 井沢元彦・大槻文藏

『平家物語の怪―能で読み解く源平盛衰記』 井沢元彦・大槻文藏

 名古屋能楽堂のオープンを記念して行われた「能で観る平家物語」という企画での講演を書籍化したもの。この企画は、より多くの人に能を観てもらうため、能の演目の中でも数多い『平家物語』に関連する曲の中から十二の演目を選び、能の上演に先だって背景となる歴史や精神性について井沢元彦氏が講演をするというスタイルで行われたものであるとのこと。

 「能を観る」という気持ちが盛り上がるよう上手く構成されている。収録された井沢氏の講演は歴史解説としてはちょっとざっくりしすぎで物足らなくも感じられるのだけど、後に能の上演が控えてると思うと、それぞれの演目の主人公となる人物への興味がわき、その人となりへの一定の理解も準備できるといった、程よいウォーミングアップになっている。

 井沢氏のお話しの後には、観世流シテ方大槻文藏氏による、使用する面や、演じる上での工夫、様々な演出についての解説が付されており、これが抑えた語り口ながら演じる方の実感のようなものが感じられて、もう一段階ぐっと、これから演じられる能への興味・期待が高まる。

 ・・・で、“さあ、能を観よう”と身を乗り出すのだが、“あ、能の上演はついてないんだった・・・”っていうのを、きっちり十二回分繰り返してしまった。できれば「能を観る」のとセットで楽しみたかったなぁ。


 とりあげられているのは以下の曲

「松山天狗」…保元の乱に敗れ讃岐に流された崇徳院の怨念
「鞍馬天狗」…義経に力を与え守護した鞍馬天狗
「俊寛」…平家崩壊の序章。俊寛の孤独。
「頼政」…平家への反逆の狼煙をあげた頼政の修羅
「巴」…義仲と共に死ぬことができなかった巴御前の妄執
「清経」…行く末を悲観し自殺した清経。滅ぶ平家の悲劇。
「忠度」…一の谷の戦いに敗れた忠度の歌への執着
「屋島」…義経の亡霊が語る屋島の激戦
「船弁慶」…義経一行を襲う知盛の怨霊
「二人静」…義経を恋うて舞う霊に憑かれた菜摘女と静の亡霊
「安宅」…奥州へ落ちていく義経一行。主君義経を守り抜く弁慶。
「大原御幸」…後白河法皇の前で建礼門院が語る壮絶な懺悔話




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