2013-04-13

王城の護衛者 : 司馬遼太郎

『王城の護衛者』 司馬遼太郎

 京都守護職に任じられ、悲壮な覚悟で動乱の都に赴いた会津藩主松平容保。人斬りが横行し、様々な政治的思惑が入り乱れる複雑怪奇な京の情勢の中、自らに政治的感覚や策謀の才のないことを知る容保は、いかなる策も用いず、何ら思想も掲げず、ただ「王城の護衛者」としての至誠を貫くことを自らの正義とした。

 しかし、王城を守護するための仕事は容保を血にまみれされ、宮廷に跳梁する過激派公卿や各藩の思惑だけでなく、藩祖以来の家訓によって守るべき宗家・将軍慶喜の度々の変心に翻弄される容保と会津藩はじりじりと窮地に追い込まれてゆく。

 時勢を読み、主義・思想を掲げ我が道を切り拓くのではなく、政治的な駆け引きのすべてを放棄して、ただ孝明帝から受けた親愛・信頼への感動の中で、己の誠を貫かんとした松平容保の生き様を、可憐なものとして書き留め、その怨念の品の存在で本作を締めくくった作者の筆には、時代の転換期をそれぞれに生き、それぞれの役を負った者たちへの敬虔な想いが満ちている。




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theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

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松平容保

こんにちは。

「王城の護衛者」は何年か前に読みました。
司馬さんの幕末ものを集中的に読んでいる時期でした。

記憶が曖昧ですが、「大樹なにゆえ・・・」と言ったところや、宸翰を大切にもっていたところが印象に残っています。

Re: 松平容保

コメントありがとうございます。

幕末ものの小説はいくらか読んだことはあっても、松平容保の人物像に
触れたものは読んだことがなく、この容保の可憐さには新鮮な驚き・感動
を味わいました。

短編ながら迫力のある小説でしたね。
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