2012-09-15

「少年ジャンプ」資本主義 : 三ツ谷誠

『「少年ジャンプ」資本主義』 三ツ谷誠

 中学から大学卒業の頃まで、どっぷり「ジャンプ」にハマったなぁ。『リングにかけろ』以降の車田マンガ、『北斗の拳』『ジョジョ』、あと『ウィングマン』に『キャプテン翼』も。ムチャクチャすぎる展開にあきれたり、腐的な読みをしたりしたことも無くはないが、それでも純粋に(特に中学生の頃は)マンガの主人公たちみたいに強く、誇り高く、カッコ良くありたいって燃えたよなぁ。

 『私が夢中になって読んだ『少年ジャンプ』って何? または、『ジャンプ』に夢中だった(今もちょっと夢中な)私って何?』

 1~2年ほどの周期で繰り返し頭をもたげる、未だ解決されないこの疑問。今年もまたモヤモヤと私の中に充満してきた。


 中世以来日本の社会を支えていた地域毎の静的で小さな共同体が崩壊し、ばらばらの個人となった人々が労働力として都会に流入していく ~ 日本における近代化の始まりを高度経済成長期におき、高度経済成長のただ中1968年の創刊以来『少年ジャンプ』に描かれてきたことと、読者である青少年たちが過ごしてきた時代を、「資本主義」を軸に論じた「ジャンプ論」。「資本主義」の成熟、拡大とともに変化する、『ジャンプ』に描かれる「努力」「勝利」そして「友情」のかたちを、『男一匹ガキ大将』『アストロ球団』『北斗の拳』『ドラゴンボール』『ONE PIECE』など、各時代の人気漫画で検証する。

 「神龍=株式会社」説(ドラゴンボールを集めた人間の望みを叶える神龍は、株式を多く握ったものの意志で活動する株式会社に類似しているという考え)には、“なるほど~”と思ったし(作者の鳥山明氏はそんなことは意図していなかったんじゃないかって気はするけど)、ひきこもり主婦として私がかなり社会に無頓着に過ごしてきた2000年代にグローバリズムがどんなとこまで行っちゃってるのかってことは、この本を読んで初めて意識したと言ってもよく、ちっとも近代化できていない自分自身にゾッとしたりして、そういう意味では為になった。

 でもね、ジャンプマンガ論として読むと、ちょっとしょぼくれた気持ちになってしまうのだ。私が憧れて、夢中になったジャンプマンガやその主人公たちの活躍も、結局は時代や社会という釈迦の掌の上・・・って見せられてるようで。ジャンプマンガを心の友としてそれぞれの時代を過ごした私たちはもちろんとしても、夢であり、憧れであったマンガの世界もまた、現実から生まれたその一部であったかと。

 そりゃあ、夢や理想といった美しいものを描き、壮大な神話的世界を物語るマンガだって、現実にガッチリ組み込まれたものではあるんだろう。そうやって現実の中で読者に寄添ってくれるものだからこそ意味があるとも言えるのかもしれない。 

 でも・・・ かつてそれらのマンガに夢中になった(今でも愛読している)大人が、無邪気にそれを指摘しちゃうのは・・・野暮・・・なんじゃないかなぁ。どうせそれ言っちゃうなら、むしろ悪意をもって・・・という方が誠実なんじゃないかという気がするのだけど。

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