2012-06-16

時平の桜、菅公の梅 : 奥山景布子

『時平の桜、菅公の梅』 奥山景布子

 「なあ、松王。桜は、美しいな」

 散りかかる桜の下、牛牽きの松王丸におっとりと語りかける若君の姿は、私の中にあった、藤原時平=権勢欲にとりつかれ、菅原道真を怨霊にまでした悪人というイメージをふわりと吹きとばしてしまう。しかし、何気なく交わされる言葉は、この若君が将来歩む道を暗示する。

 「若君には、梅よりも桜をお好みと、拝察つかまつりまする」

 「梅も、確かに美しい。香も良く、品高きものだ。されどやはり、所詮は異国のものよ。」


 道真の学識と高潔な人柄を敬う時平と、国を思う時平のしなやかで瑞々しい心を認める道真。一時は、互いを理解し、共に良き政を目指すことをよろこびとした二人。しかし、桜と梅~二人の心には相容れない国の姿があり・・・。国の政における一の人として、また藤原一族の長として、強く、老獪にもなっていく時平は、一切の甘さを許さず、一直線に理想を実現しようとする道真との対立をいつしか深めてゆく。

 互いに理想を抱き、熱くぶつかりあった二人の殿上人の生き様を、都を彷徨う物の怪の姿や、帝位をめぐる愛憎、王朝の物語らしい恋模様をからめながら、ドラマティックに描く。

  
 
 それはそうと・・・ 孤高の秀才・道真公は他人に超キビしい。信念は、『能なき者は去れ』・・・天神様に甘ったれた合格祈願なんてしようものなら、かたっぱしから落とされそうだ。




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