2007-01-17

東亰異聞 : 小野不由美

 御一新後、江戸が遠くなりつつある東亰の街。西洋の文化が流入し、明るい瓦斯等の明かりによって夜の闇は駆逐されていくかに見えた。

 しかし、夜の世界はそんなにたやすく変わりはしない。東亰の夜には人魂売り、首遣い、火炎魔人、闇御前などと噂される物の怪とも、血に飢えた怪人ともつかぬ者どもが現れていた。魔物たちに華族・鷹司家の跡取り達が襲われるに到って、家督をめぐる人々の思惑もからんで・・・。

 東亰の夜に暗躍するのは人か魔か? 加えて“夜の者”の物語を語る黒衣の男と娘人形の正体は・・・

 判じ手は、少し頼りない新聞記者の新太郎と、浅草界隈で香具師の世話役をする万造。謎は深まりつつ大詰へ。


 闇に跋扈する異形たちの描写が冴えていて、ドキドキする読み物なのですが、鷹司家の悲劇の真相が明らかにされ、夜の闇に現れる異形のものたちの正体が暴かれる大詰が、それまでの長い怪異の物語に対してパワー不足といった感じがします。“そういうオチなんだ~”とちょっと力が抜けてしまいました。

 そういうオチに持っていくなら、これまで語られた怪異がもっと“怪しのもの”として説得力を持つような緻密さか、そうでなければ逆に、読者に考える隙、息をつく間も与えないほどのスピードもしくは、全てが崩れ落ちてしまうような圧倒的な崩壊のパワーが欲しい。

 話はとても面白かったのでちょっと残念。


 小説の舞台・東亰は私達が今暮らしている歴史上の東京とは別物。このズレが不思議な効果を作品に加えています。

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