2012-01-14

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談 : 古舘春一

『詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。』 古舘春一

 これは、「10代の暗黒」の物語だなぁ・・・。


 誰もその姿を見たことはないが、学校の屋上に棲みつくという“幻の生徒”~ 怪談噺と引き換えに、怪奇事件を解決する四ツ谷先輩。タイトルの「詭弁学派」にくいついたモンとしては、四ツ谷先輩の超人的な「詭弁」を期待していたんだけど・・・彼は、詭弁で周囲を煙に巻くのではなく(怪談を愛するあまり言動におかしなとこはあるにせよ)、正統派の「怪談語り」であった。

 幼女連続殺人に監禁事件、バラバラ殺人・・・事件解決の過程を眼目にしたサスペンスってわけじゃなさそう。起きてる事件の重大さ陰惨さの割に、外の社会の描写は少なく、語りは常に学校内で行われる。ああ、これは「学校の怪談」なんだな。四ツ谷先輩の「語り」は事件の真相を明かすのではなく、事件に関わる人の心の中の暗黒を「怪談」としてひきずり出す。

 学校という場で語られる様々な怪談。物語として形を与えられた暗黒。誰の目にも見えない、ずっと中2のままの“幻の生徒”でありながら、怪談を語ることで学校につながっていた四ツ谷先輩。


 それは「高校生になる」という明るい形でではあるけれども、7つの怪談ともう一つ「四ツ谷先輩」という物語を残して、彼は留まり続けた中学から姿を消し、本当の幻になった。“愛すべきものの消滅”を思わせる「物語」の終わりはやはり切ない。


 本編終了の後に、はじまりの物語~四ツ谷先輩が“幻の生徒”になるまでのお話しが付されているのも、構成的に何かニクイ。


  

FC2 Blog Ranking
スポンサーサイト

theme : 漫画の感想
genre : 本・雑誌

comment

管理者にだけメッセージを送る

プロフィール

やぶからねこ

Author:やぶからねこ

FC2ブログランキング

FC2ブログランキング

ブログランキング
にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログへ
カテゴリー
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
検索フォーム
カレンダー
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
魂に喰い込んでます
月別アーカイブ
Powered By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ