2011-12-14

元禄百妖箱 : 田中啓文

『元禄百妖箱』 田中啓文

 再びの乱世を願う老武士の手により殺生石の封印が解かれ、金毛九尾の妖狐が太平の江戸の世に放たれた。

 家綱が不可解な死を遂げ、綱吉が将軍の座について以来、数々の天災が国を襲い、悪法「生類憐みの令」に民は苦しめられていた。江戸城の奥にたちこめる獣の臭い。江戸城に巣食うものたちの正体を見破った伏見稲荷の神官・羽倉斎が密かに戦いを仕掛ける。

 赤穂藩主・浅野内匠頭長矩の松の廊下刃傷事件、赤穂浪士の吉良邸討入り・・・あまりに有名な元禄の大事件が、さらに大きくこの国を覆う妖気漂う暗黒の物語の1コマとして語られる。

 ひとり妖狐への戦いを挑む羽倉斎~後の国学者荷田春満の暗躍。“先を見てしまう”堀部安兵衛の千里眼~主君への忠義に燃えながら、時にヒヤリとするような諦念を見せるその眼差し。

 奇想天外なお話しであるが、その描き方はさほど大仰ではなくさらりとしていて、元禄の世に妖しのものどもの跋扈する大真面目な「伝奇物語」・・・というよりも、「忠臣蔵」を元ネタにひとつ新奇な話を作ってみせ、そのアイデアの面白さで座の皆を興がらせる、良い意味での「座興」といった趣。




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