2011-10-22

四畳半王国見聞録 : 森見登美彦

『四畳半王国見聞録』 森見登美彦

 う、うぅ、う・・・苦しい。四畳半に立てこもり妄想を縦にする腐れ大学生たちの姿は、森見作品では見慣れた阿呆なものに変わりはないのだが・・・どういう案配なのだろう? その阿呆ぶりが滑稽というには何か切実で痛々しい。

 一人孤独にあるときにこそ、余は完全に己が欲する自己になることができるのである。
 「一人でいる時はこんなにステキな俺なのに、なぜ他人が目の前にいるとヘンテコになるのであるか!」
 「一人でいる俺を考慮に入れて評価せよ!」


 こんな言葉をつきつけられては・・・青春の日の不安、焦燥、満たされない自尊心、孤独、恐怖~記憶の向こうに押し遣っていたそんなものたちが、ひたひたと逆流してくるようで、とても平静ではいられない。

 四畳半に淋しく立てこもり続けた“俺”が、行く先々でそっけなくあしらわれながらも、別れを告げるべく友人、知人たちをたずねて回る「グッド・バイ」では、ついにたまらず、胸の奥に塗り込めた古傷から、ちょっとだけ血を噴き出してしまった。




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