2011-09-17

鼓笛隊の襲来 : 三崎亜記

『鼓笛隊の襲来』 三崎亜記

 赤道上に発生した戦後最大規模の鼓笛隊が列島を縦断する。本物の「象さんのすべり台」が建つ郊外の分譲地の公園。家のどこからも辿り着けなくなった二階の窓に見える夫の姿。そこにあるのに誰にも見えていない校庭の中の家。「日常」の裂け目を押し広げる奇想の短編集。

 自分の持っている記憶が本当のことで、それが不変であるとは限らないということ。隣にいる人と同じものが見えているとは限らないということ。世界の秩序はぐるりと変わってしまう可能性があるということ。そこにあるものが見えず、ないものが見えることがあるということ。・・・それは色んな人が言っている。いろんな本で読んだ。でも、私はまだそこまで追い詰められてはいない。だから本当にそうなのかはわからない。でも、やっぱり・・・それは、そうなのかもしれない。

 直視するのは怖ろしく、とりあえずは直視する必要もなく、ただ視界の端を何となくよぎる~そんな日常の中の異物・不穏。「日常」の危なっかしさにさらされる作中の人物たちの、諦めと強さの混ざった不安定な心持ちに、さぁ~っと皮膚をなでられたような・・・感じ。




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