2011-09-03

恋する物語のホモセクシュアリティ : 木村朗子

『恋する物語のホモセクシュアリティ―宮廷社会と権力』 木村朗子

 中世の宮廷物語に、それほど男同士、女同士の関係が描かれていたなんて。

 本書を読んでみようと思ったのは、実は『平家物語』を読んだことがきっかけで・・・。『平家物語』では、男と女の関係よりも、男同士の関係の方がベタベタしてるというか・・・何だか男同士の関係への執着の方が強いんじゃないか?と感じられたので、その訳の一端でもわかるかな?と期待して読んでみたのですが・・・


 帝の子を産むことが権力の奪取に直結する宮廷社会。しかしそこには、男女の差に先立って階級差が存在し、性の関係においては「子を産む/産まない」ではなく、「権力を生む/生まない」ということが問題とされる。そのような「権力を生む性」のシステムを持つ宮廷社会の中に描かれる様々なセクシュアリティ。そこではセクシュアリティは個人のアイデンティティに関わるような固定されたものではなく、システムのどの位置に配置されるかによって、その機能、意味に流動性を持つ。

 ・・・う~ん、実は私、「ジェンダー」「セクシュアリティ」という言葉を字面では見たことがあっても、その意味するところをきちんと体得できていないのだ。つまり、私にはピンとこないことが多かったってこと。 

 本書で試みられたのは、宮廷社会を舞台にした物語に描かれた様々なセクシュアリティをとりあげて、男女/男同士/女同士の関係とそこに垣間見える欲望について、なんらかの結論を導き出すということではなく、「ジェンダー」や「セクシュアリティ」にまつわる研究のフィールドに、「男/女」の別や「ホモ/ヘテロ」の差を個人のアイデンティティーに関わって固定されたものとしてとらえない新たな視点を持ち込むことであったようだ。




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