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2011-07-16

伊東忠太動物園 : 藤森照信・増田彰久・伊東忠太

『伊東忠太動物園』 藤森照信・増田彰久・伊東忠太

 学生時代、何度か一橋大学の兼松講堂を利用させて頂く機会があった。ほぼ1日中を講堂内で過ごし、最初は何も感じなかったのだけど、ある時、建物内の階段で、ふと視界の隅に変な鳥がいる気がして“ギョッ”と振り返った。細部はもうかなり曖昧で、私の中で半ば以上ファンタジー化してしまっている記憶なのだが、あの“ギョッ”は忘れられない。それが、伊東忠太の怪物との出会いだった。

 一度気付いてみると、兼松講堂のあちこちには奇怪な姿の動物がとり付いている。“うぁっ クリーチャー! クリーチャーがおる。兼松講堂、スゲぇっ”・・・身近にこんな異次元があったことに、ふるふると異様な悦びと興奮を覚えてしまった。

 その後、兼松講堂やその怪物たちが伊東忠太の設計によるものだと知って(自分で調べた覚えは無く、どういう経緯で伊東忠太のことを知ったのか、我ながら謎なのだが)、歌舞伎見物に上京した折に、築地本願寺へも怪物探しに行ったのだけれど、その寺院としてはあまりに風変わりな姿にも、そこに棲む動物や幻獣にも、兼松講堂で感じたほどの衝撃と悦びは無かった。

 やはり“怪”には、無防備な日常の中で遭遇してこそ・・・。

 
 ところで、伊東忠太の怪物の写真を多数収めたこの『伊東忠太動物園』~著者の語り口が妙に可笑しい。靖国神社境内の遊就館について、伊東忠太が直接設計をしたものでない可能性を指摘しての言葉。

 そのせいか、伊東ならではの図像が見られないし、また、鬼面がついてはいるものの、こうしたこれ見よがせは彼の好みではないし、鬼面のタッチも伊東好みとはいいがたい。伊東はもっとクリクリモコモコした形が好きなのである。


 大の大人の発言にしては、妙に幼児的というか駄々っ子的というか(笑)。妄想家・伊東忠太に著者自身も多くの妄想を託している・・・というか、“この人は、伊東忠太を見ているとワクワクしてたまんないんだろうな”と思わせるフシが言葉の端々に見えて何だか可笑しい。

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theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

tag : 伊東忠太

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