2011-02-05

江戸歌舞伎の怪談と化け物 : 横山泰子

『江戸歌舞伎の怪談と化け物』 横山泰子

 怪異・怨霊・化け物・・・かつては宗教的な事柄や畏怖の感情と結びついていたものたちを、娯楽の対象として消化していった江戸の時代精神、都市文化の諸相を紹介、考察する。エンターテイメントとしての恐怖を生産する現場としての歌舞伎が語りの中心となるので、江戸歌舞伎雑学としても楽しめる。

 江戸の怪談物には“女の化物”“化ける女”の怪が多い。そういうことについて、最近読んだ堤邦彦氏の『女人蛇体―偏愛の江戸怪談史』では、“蛇と化す女”を巡る論考を『恋愛の狂った果実ほどに妖しい魔境はないのだから。』という言葉で締め括れるお気楽さ(「それは男の考え方よ」という娘からのつっこみが付されてはいるが)が少々不快でもあったのだが・・・。

『産女を可能な限り刺激的にグロテスクに、つまり不気味な他者として表現することができるのは、男性ならではの感覚だと私は考える。』


 本書(鶴屋南北の『東海道四谷怪談』とメアリー・シェリーによる同時代の怪奇小説『フランケンシュタイン』の中から「出産」というモチーフを抜き出して比較した章)で語られる“女の化物”についてこのような言葉は、女性からしたら、“そりゃあ、その通り!”なんである。

『女性は男性より執着心が深いから、男性の幽霊より多い、と言われても……。』


 ・・・まったく、、、困ります。

 しかし、江戸時代とは社会の様子も随分と変わった現代、今後また“化ける男”の怪談の台頭はあるのか?


 

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