2010-11-13

抒情的恐怖群 : 高原英理

『抒情的恐怖群』 高原英理

 禁忌、残酷、呪い、官能、悪夢、幻想・・・

 「抒情的恐怖」というよりも、これは「内向的恐怖」であると、私には思えた。

 易々とした理解・共感を拒むかのような、決して読みやすくはないいびつな語り口、修飾を凝らした、感覚的なものに依るところの大きい文体。綴られた恐怖の物語は、それ自身の内に閉じ、さらに深く深く内向していく。

 薄暗い予感、日常的な理解を超えた事態、人外の想念、惨劇・・・内に向かって沈んでいく「恐怖」を追いかけ、自分の中にその「恐怖」の感覚を再現するには、読み手にも色々なセンス? 心理的傾向? 素養? が不可欠であるような・・・(実のところ、作者自身、自分の「恐怖」をそんなに簡単に読者に手渡そうとは思っていないんじゃないだろうか。)

 そうして、「恐怖」の領域に触れ得ない場合、生肉系、内臓系、腐乱系、ブツブツ系・・・といった「恐怖」ならぬ「生理的嫌悪」との闘いに終始することになってしまう。私は後者だった。


 読み終えて思うのだけど・・・この本の中で最も万人向けな「恐怖」は、後頭部にも顔を持つ、表紙のこの彫像なんじゃないだろうか?



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theme : 読書メモ
genre : 本・雑誌

comment

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はじめまして。

すごく面白そうですね。
近々、読んでみます。
こちらの記事は読みやすくて
私好みの本が多いので参考にさせていただいてます。

はじめまして

独特な雰囲気のある恐怖小説でした。
機会があれば読んでみて下さい。

これからもコンスタントに色んな本の感想を
書いていけるといいなぁと思っています。

どうぞよろしくお願いします。
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