2006-12-09

アマニタ・パンセリナ : 中島らも

 “好きだ”と思う作家、文筆家は何人かいる。その書き手が好きだからといってその人の書いたもの全てが好きなわけではないが、それらの人の著作の中には必ず、私の首根っこを押さえつけて降参させている一冊というのがある。

 中島らも氏に関して言えば、「アマニタ・パンセリナ」がその決定的な一冊だった。この本を読むと私は泣きたくなる。

 ドラッグを求める人、ドラッグがもたらすもの・・・自身の体験、古今の文献、文芸作品を引きながらドラッグを語るエッセイ。ドラッグに関しては私は知識も興味も無いが、ドラッグを語るらも氏の言葉は読まないわけにはいかない。

 自身の興味、好奇心をカバーする知識。知識に支えられて自己を把握する知力、精神力。その上で、「中毒」という生き方をしたらも氏。

 自分を苦しめもしたが、生き方として切れることのなかったアルコールやドラッグに関することを書物として出すとなると、自分の経験した至福も七転八倒も、読みやすく、面白く、思いやりに満ちた文章にして差し出す読者への気遣い。それだけの文章を書く技術。

 冷徹に世界を、自分を見つめながら、ふとした隙間からぽろぽろこぼれるセンチメンタルなもの。汚くてきれいな、らも氏。「中毒」という生き方を通し、その為に時折自失しながらも、自分は“生に向かって、ナンセンスに向かって、恐怖に向かって「開かれた」書物を書くだろう”と言ったらも氏。

 そういうものに触れて、・・・もう、何だか堪らない。

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