2010-09-01

小説・江戸歌舞伎秘話 : 戸板康二

 「仮名手本忠臣蔵」五段目の定九郎をじじむさい山賊姿から、すっきりした浪人の姿に工夫した初代中村仲蔵。仲蔵の前に姿を見せた黒羽二重の浪人とは何者だったのか? (「夕立と浪人」)

 同じく「忠臣蔵」の四段目、判官との別れの場面、力弥が悲しそうに首を振ったのは・・・ (「美しい前髪」) 

 梅王丸、桜丸、松王丸、揃って赤の襦袢を着るのが慣わしの「車引」の場で、五代目団十郎が松王丸に白い襦袢で出た訳は? (「座頭の襦袢」)

 南北や黙阿弥の描くような毒婦誕生のきっかけは? (「振袖と刃物」)


 江戸の芝居の演技、演出の上に生まれた大小の変化 ~ どのような想いが、どのような行動が、人と人とのどのようなめぐり合わせが、その変化をもたらしたのか・・・。表に顕れた変化から、その裏に秘められた逸話を推理し、創造、創作する洒落たゲームのようでもある歌舞伎ミステリー。

 芝居町の活気を思わせる、さっぱりとして洒落た言葉遣い、語り口は、こちらまで芝居通になったようで気分がいい。「て、に、を、は」の区切り、言葉のリズムが小気味良く、読んでいると、頭の中で鳴る言葉の流れが新鮮で、心地良い。心地良いばかりじゃなく、『紋蔵が、たまらなく、憎かった。』なんて一行にはゾクッとさせられる。


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