2010-04-03

新釈 走れメロス 他四篇 : 森見登美彦

 読む毎に“一筋縄じゃいかんなぁ”という思いが強くなる森見登美彦氏。

 『山月記』『薮の中』『走れメロス』『桜の森の満開の下』『百物語』・・・すべて、京都に住む腐れ大学生の話として書き直される。各話に登場する学生たちは互いにいくつかの出来事を共有する、うっすら顔見知りな間柄である。

 そんな学生達の極小の世界のふとした暗がりに、果てしない宇宙が口をあけているのがちらりと見えるような気にさせる。う~ん、森見マジック。

 自負と懐疑の中で大文字山へ走り、遂には天狗へと姿を変じた孤高の学生。自主制作映画「屋上」の真相は薮の中。二人の偏屈者の間の阿呆すぎる友情。満開の桜の下の何やら正体の定かでない怖ろしさ。百物語に集まった人々を見る血走った目。

 苦悩、絶望、焦燥、友情、滑稽、孤独、恐怖。

 文豪たちの短篇より森見氏が抽出したエッセンスが偏屈学生たちの七転八倒にまみれて、口あたりは優しいが味は濃厚。

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