2010-03-10

瀧夜叉 : 皆川博子

 純友の子・九郎直純、勇猛な従者・美丈丸、災いを一身に受ける生贄の童子・千代童らを乗せた船が、平将門の陣へと向かう。将門の娘・夜叉は、東の将門と西の純友の繋がりを強める為、まだ幼い少年・九郎を夫として迎える。

 繰り返す戦乱の中、美丈丸、千代童、夜叉、夜叉の姉・如月尼、九郎の運命が少しずつ動き出し、生贄として長い間死の中に生きてきた千代童は人ならぬ力を得て運命の糸を操る。

 敵味方に割れ、運命に流され散り散りになり、また、強い力で呼び合いながら、憎しみに、恐怖に、愛欲に、恋情に、極限まで燃え上がろうとする夜叉の、美丈丸の、如月尼の、千代童の荒ぶる魂。

 瀧夜叉とは、互いに傷つけあうほどに求め合う荒ぶる魂が生んだ鬼か。

 ・・・しかし、炎のように燃え、荒れる魂を持つ仲間たちの中で、都の雅に惹かれる心を持ち、戦乱の中に己の居所を見出せない一人異質な九郎。瀧夜叉の哄笑が都の虚空に響くのを、九郎は独り取り残されるように聞くのだろう。


***

 千代童は蘆屋道摩として、愛する者の運命の糸を操り、安倍清明もまた将門ゆかりの者として物語に関る。妖しき伝奇ロマンなのだが・・・描かれる情念の濃さに比べ、物語の収束していくパワーに少し物足りなさを感じる。舞台が大きいだけに、一気に引き込まれる感じがないと、何だか散漫な印象で終わってしまう。


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