2010-03-03

ファンタジーを読む : 河合隼雄

 本書では、優れたファンタジーとしての物語、児童文学などが取り上げられているが、ここで言う「ファンタジー」とは、心の底から沸き起こり、『それ自身の自律性をもってわれわれに迫ってくる』ものであり、そこには“たましい”~『身体と心というものを統合して、一人の人間存在たらしめているもの』~のあらわれが見て取れると著者は語る。


 もしも、そのすべてをさらけだしてしまったら、社会に重大で悲惨な事件を招くことすらあるような「私」という存在 ~ 『「私が私である」という現実』を支える為に“たましい”が経験しなくてはいけないことは、大変な困難と危険をともなっている。

 “たましい”が孤独で危険な旅をする間、「ファンタジー」はその旅の同伴者として機能してくれる。「ファンタジー」との対峙の仕方を誤ることは、「妄想」や「つくり話」の世界に囚われる危険性も含んでいるのだが・・・。


 今まさに「ファンタジー」が必要であるような人は、ここに書かれていることは知らない方が良いのだろう。魂の同伴者としての「ファンタジー」とは多分、その正体を知られないままに愛され、人がそれを必要とする間だけ共にあり、そしていつしか一抹の寂しさとわずかな喪失感と共に忘れ去られてしまうものでなければいけない。

 ・・・なんて言うと、大塚英志が『リンウッド・テラスの心霊フィルム―大槻ケンヂ詩集』の解説や、『人身御供論―通過儀礼としての殺人』で書いていたことを、まんまコピーしているみたいだけど、これまで字面だけで頭に突っ込んでいたことが、最近やっと実感としてわかってきた・・・ような・・気が・・・しないでもない。

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