2010-02-03

海の底 : 有川浩

 突如、横須賀に上陸し人間を襲い始めたエビ状の巨大生物。エサとして喰われる人間、巨大エビに蹂躙される街は地獄と化す。

 命を懸け、知力を尽くしてこの事態に対するは ~ 二人の海自隊員・当たりはソフトだが言うことやることは辛辣な冬原と言動は荒っぽいが中身はナイーブな夏木。日本という国の組織内では鼻つまみ者だが、やたらと仕事ができ己の魂に従って動く男・警察庁烏丸参事官に神奈川県警明石警部。熱き血潮の機動隊員。気弱だが研究者としての意地は頑なな海洋生物学者。

 逃げ場を失い、冬原・夏木と共に潜水艦『きりしお』に立てこもった13人の子供たちが抱える、ズバリ10代的な諸問題も『きりしお』内外の事態を緊迫させる。そんな中、夏木と少女・望の間に流れる仄かな感情。

 この非常時にも日和見を続ける官邸、無責任な大騒ぎを演じるマスコミに歯噛みしながら、プライドを懸けて戦うアツい男たち~もう、様式美といっていいその格好よさにはテンション上がるし、謎の巨大生物攻略の駆け引きにも興奮した。

 面白かった!・・・のだが、以前『塩の街』を読んだ時と同じく、微妙に不機嫌になってる。

 何故だ? いい男が普通の女子高生と易々と甘~い恋におちてしまうのが気に食わないのか? BLならば結構甘いのも平気なんだがな。


 ・・・いや、違うんだ。女の子が恋の主役だから気に食わないんじゃないんだ。

 基本的には良い子な少女の、年上の男に許してもらうのが前提の未完成さ(例えば、ヒロイン・望は料理ができない。料理が出来ないのが問題なんじゃなくて、望の未熟な部分が“料理が苦手”ってことで象徴されてるんだと思うけど、彼女の料理下手は大人の男たちからは不問に付されている。)や、基本的に有能なはずの成人男性の、少女に受け入れられるのが前提の不器用さ~その辺の書かれ方がやたらと甘ったるいっていうのは、やっぱりどうも胃にこたえるんだ。

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『海の底』 有川浩

『塩の街』、『空の中』と共に<自衛隊三部作>と呼ばれているらしい最終作。 といってもお話は繋がってないし、世界観も別物。 今のところ『空の中』しか読んでないけれど、これがジュブナイルSF、ファースト・コンタクト物、それにラブ・コメディ(?)としてかなり...

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