2010-01-16

「私」という演算 : 保坂和志

 考える、感じる、言葉にする・・・その言葉からまた考える、感じる、認識する・・・。“私”が思考するというその運動によって、そこら中にふわふわと漂っている世界が渦を巻くように“私”の周りに集まってくる。“私”の思考が停まると、また世界はそこいら中に散らばっていく・・・。

 “私”は“私”について思考する。“私”の認識について、“私”の思考について。そして“私”というものの不確かさを知る。そして、そういう不確かな“私”を存在させている世界というもの。

 理屈とか論理を超えて、不定形な感覚や情緒までを言葉にして追いかける文章は、“私”の中を巡り、また世界へと拡散する。


 自分を自分の認識の下に置く~自分の考えていること、自分の感じていることについて思考する。そういう在り方に惹かれると同時に、なんと面倒臭いことをするものだろうとも思ってしまうが、ここに書かれた思考の流れは、気の巡りのように自然で心地良い。

 保坂氏の書く思考の渦、言葉の流れは、運動不足の筋肉を揉み解すマッサージのように、普段使い忘れている感覚を緩やかに目覚めさせてくれる。

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■講談社文庫版のあとがきは保坂和志自身が書いているが、『プレーンソング』のような小説を中里介山の『大菩薩峠』のように書き連ねていけたらいい、などということが書いてあって、単純にすごいと思った。 そして彼が西武百貨店が主催する文化教室の企画のようなことを?...

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