2010-01-02

風雅の虎の巻 : 橋本治

 一年ほど前に一度読んだのだが、その時はとにかく橋本氏が語る言葉の一つ一つに頭を殴られるような衝撃を受けるばかり。言葉のインパクトに気圧されっぱなしで、全体の意味なんてちっとも分からなかった。“うわっ”と思った言葉の書かれているページの端に折り目をつけてあるのだが、その折り目のつけられてるページの数が半端じゃない(苦笑)。今回は一つ一つの言葉だけに囚われることなく何とか読み通したと思うけど、やはり語られていることの全体像は理解できない。

 ・・・多分、日本における“成熟”ということについて書かれているのだと思う。人としての成熟、社会全体の成熟、文化の成熟はどのようになされていくのか。日本の近世以前、近代、戦後~それぞれの世界において、社会制度の中で人間としてプラスマイナス0とはどういう状態なのか、そこからの成熟とは・・・。制度と人との関りの中で生み出される数々の表現とは本質的にどういうものであるのか・・・。

 成熟を果たした人間の、社会の、文化の、制度からはみ出した“余り”の部分に生まれるのが、“風雅”という豊かさである・・・ということ・・・か? などと考えてみても、そのことを実感する力は私にはまだ無い・・・ということは分かる。いずれ再々読する時には、もう少し分かるようになっているといいのだけど。


 ところで、初読みの時もそうだったのだけど、話の本筋は置いといて、私の心はぐぃ~っとある人物に惹かれていってしまう。それが、本書において、その和歌の特異な表現をとりあげられた源実朝という人。

 『“関東”という田舎の制度の管理者』でありながら『個人』というものを獲得してしまった青年。“田舎”に居ながら征夷大将軍という特殊な立場故に“京都”=文化と繋がりを持ち得、“制度”とは相容れない“個人”を獲得してしまったからこそ『“田舎の親族”に抹殺』されてしまう実朝。実朝の時代の“制度”とはどういうものだったのか、“個人”とは何者だったのかを語る本書の文脈の中での、この実朝という存在。タ・マ・リ・マ・セ・ン。

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