2009-12-26

赤い星 : 高野史緒

 通俗的な意匠に埋め尽くされた荘厳で神聖なものを追う物語。

 歪んだ歴史上のロシアと日本。ソ連崩壊後、皇帝を戴くロシアと、その属領となり、ロシアの傀儡・江戸幕府が治める日本。現実世界での人々の移動は厳しく制限され、高度に発達したネット上には虚実入り混じった情報が飛び交い、仮想空間がいびつに広がる。

 秋葉原に皇子ドミトリーを名乗る男が現れ、吉原の花魁・真理奈太夫は皇后の座を狙ってロシアを目指す。雲と雪に閉ざされたロシアの大地で、極東の島国日本で、帝都ペテルブルグを夢見る人々。


 刺激的な設定、重なり合っていく謎に引き込まれ、幻に見る都ペテルブルグへ辿り着こうと追い立てられるように読むが、狂信的ですらある話のテンションに途中からついていけなくなる。冒頭の口上とあとがきで、作者により「この作品が何であるか」が語られるのだが、その言葉に囚われずに作品自体を読むということが難しかった。いっそ口上やあとがきも作品(フィクション)の一部として読めば良かったのかもしれない。

 沢山の要素をつぎ込んで複雑に織り上げられた物語であるのに、いくつかの話のパーツに関しては、「えっと・・・ここんところは、夢オチで・・・処理するのかな・・・?」と考えざるを得ないとこが残念。

 或いは、この物語は読者自身の見る幻によって完成されるんだろうか?

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genre : 本・雑誌

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