2010-01-06

右大臣實朝 : 太宰治

右大臣實朝 / 太宰治

 宇月原晴明「安徳天皇漂海記」の寂しく、強く、美しい実朝の姿に号泣し、橋本治「風雅の虎の巻」で、このややこしく美しい男・実朝への堪らん想いを深めた。そして、これまたややこしい男・太宰治が描く実朝は・・・。

 豊かな教養と、人の上に立つ者の品格を保ち、素直におおどかに周囲の者に相対する将軍実朝。美しく生きようとの理想を掲げながら(もしくは、美しく生きようという理想を持ってしまったがために)、鎌倉の征夷大将軍という自分の現実を上手く生きられなかった人。

 多くの憧れを抱きながら、その憧れを感じる自分の根っこがどこにあるのか、彼には最後までわからなかったのではないか。自分の根っこの在り処など疑ったことも無さそうな北条義時との対比が痛々しい。

 公暁~同じ源将軍家に生まれながらも、理想を抱くことを許されなかった人物のさめた目が見た、京都の人、田舎の人、そしてその間にある実朝の姿。そこには実朝が見ようとしたものとは異質な、ただそのままの乾いた現実があるように思える。

『安徳天皇漂海記』感想 http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-297.html

『風雅の虎の巻』感想 http://neconohitai.blog71.fc2.com/blog-entry-368.html

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