2009-10-24

朱鱗の家―絵双紙妖綺譚 : 皆川博子・岡田嘉夫

 絵双紙という名の通り、墨で囲った頁の中、絢爛たる絵に行書体の活字で綴った文字を配した凝った作り。

 頁を繰ってすぐに、不思議な既視感に囚われる。「・・・読んだことある?」

 同じものを、昔読んだという覚えはないのだけど(こんな印象的な本、読んでいたなら忘れるはずがないと思うんだけど)、第弐話「崖楼の珠」に出てくる象牙の珠だけは ~透彫を施した象牙の珠の内部にさらに透彫を刻んだ珠が七重に重なっているという~ 妙にはっきりと記憶の中にあるような気がしてならない。 
 
 現実のものなのか、夢の類なのか判然としない既視感。それだけで、もう、ずぶりと物語の中に足を引っ張りこまれそうになる。

 
 桜、牡丹、藤、菖蒲、芥子、変化朝顔、睡蓮、曼珠沙華、百合、錦鯉、鸚鵡、蟹、蜘蛛、孔雀、蝶・・・色鮮やかな花や生き物たちを描く、岡田嘉夫の不吉に艶やかな絵。その花や生き物たちに絡め取られたような男、女、王、王妃、姫、若君・・・ずっしりと重みを持つかと思えるほどに飾り立てられた言葉で、皆川博子が語る残酷で美しい物語。

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