2009-09-26

パンク侍、斬られて候 : 町田康

 江戸時代、ある晴天の日、街道沿いの茶店に腰かけていた浪人は、そこにいた、盲目の娘を連れた巡礼の老人を、抜く手も見せずに太刀を振りかざし、ずば、と切り捨てた。居合わせた藩士に理由を問われたその浪人・掛十之進は、かの老人が「腹ふり党」の一員であり、この土地に恐るべき災厄をもたらすに違いないから事前にそれを防止した、と言うのだった…。



 社会的困ったチャンの展示会みたいなことになってるとある藩で、困ったチャンたちは困ったチャン独自の理念と理屈に則って、それぞれの計画を進めている。そして発動した、無意味でアホらしいことこの上ない「腹ふり党」ヤラセ作戦。

 何やかやと訳分からんうちに状況は切迫。ヤケクソとなって腹を振るエセ「腹ふり党」と困ったチャンたちだが・・・

 おふざけ的悪巧みから始まったナンセンスな大騒ぎは、ある時、そのバカ騒ぎを計画した困ったチャンたちの目の前で、本当の混乱、本物の恐怖へと、“ぐるっ”と変質する。

 困ったチャンたちの困った具合を、「はは、バカだこいつら。いるんだよね、こういうバカ。」なんて、アハハと眺めていると、バカバカしい笑いだったはずのものが一転、身の毛もよだつ恐怖に変わってしまっているという転換は、中島らもさんの「こどもの一生 」に似てる。「こどもの一生」の恐怖の方が多少エンターテイメント寄りで、「パンク侍~」の恐怖はブンガク寄りかなぁ、なんて思うけど。

 ブンガク的恐怖の中で、困ったチャンたちは、それぞれにオトシマエをつけるべき自分と対面させられて、幕。

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