2009-08-22

持統天皇―日本古代帝王の呪術 : 吉野裕子

 草壁皇子の静かな悲しみを描いた、梨木香歩の「丹生都比売」あとがきに、「母帝に殺される皇子」という着想を与えてくれた書として本書が紹介されていた。


 天智・天武・持統らが活躍した時代の日本は、陰陽五行の思想を政の原理とする世界だったいう古代史観の下に、壬申の乱前後~持統天皇の治世までを考察した本書。

 強烈な権力への志向を持ち、夫の後を継いで皇位につくことにこだわった鵜野讃良皇女=持統天皇の性質、人格形成についての記述には多分にロマンティックなところもあり(過酷な生い立ちや、額田王をめぐる父・天智、夫・天武の関係など・・・)、“何か、少女漫画みたいなんですけどぉ・・・”と思わなくも無い。

 しかし、全体的には淡々とした筆致で、鵜野讃良皇女=持統天皇が、政治的に重要な局面のことごとくに施した呪術的な策を明かしながら、そこからの必然的な結論として「母・鵜野讃良皇女による、子・草壁皇子の殺害」を説く。

 古代社会を成り立たせていた世界観と、その世界観を巧みに操って自らを輝かせた女帝の存在感に圧倒される。

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