2009-08-19

美女と竹林 : 森見登美彦

 いったい、この人は・・・臆病で繊細な兎ちゃんなのか、大胆で人を食った狸なのか・・・。両者ミックス・・・なんだろうな。ふるふると震えているかと思うと、意外に狡賢い手で打って出る兎。楽しげに浮世を渡っているかに見せかけて、自分で自分の首を絞めたりしてる狸。


 机上で事件を起こし続けた妄想家・登美彦氏は、遂に現実世界に事件を起こし人気文士となる。妄想家の人気文士は、自らの将来を見据えた「多角的経営」~「竹林経営+美女」のあらましをエッセイにしたためることを計画。

 しかし、氏が現実世界に起こした事件の数々およびその余波 ~ 文学賞受賞、マスコミの取材、サイン会、テレビ出演、締切、締切、締切・・・ ~ は、ご本人の管理能力をはるかに超えた荒々しさで襲ってくる。なす術もなく押し流される登美彦氏。

 竹林経営どころか、まったくもって、大好きな竹林に赴く暇も無い始末。(それでも、美女にはちゃっかり会ってる人気文士。意図したのとは違う形だったかも知れないけど。)

 「美女と竹林」がテーマであったはずのエッセイは、早々と行き詰まり&破綻寸前の様相を呈してくるが、人気文士はそこを何とか妄想と詭弁でカバーしようとじたばたしてみる。

 汗をかきかき奮闘する痩せぎすな文士の姿が見えるようだが、既に破綻が見えている「竹」テーマで、あくまでも話を続けようとする(「美女」テーマは早い段階で放棄されている。もしくは巧妙にすり替えられている。)依怙地さは、文士精一杯の誠意なのか?

 それとも、この“あきらかに行き詰まってる風な感じ”すらフェイクであって、自虐的トーンで読者を魅了する文士の術中にまんまとはめられているんだろうか?


 ま、いずれにしても面白かったからいいか・・・と思う。

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