2009-06-10

サイゴン・タンゴ・カフェ : 中山可穂

 恋しいものたちを狂おしく追い求めて、棘で傷ついた体が血を流していることも知らぬげに、荊の道を脇目もふらずつき進んでいく・・・。激しくて切実な中山可穂の小説を読んだ後は、涙と鼻水にぬれて、ぐったりと疲れきってしまうのが常のことだったが、この短編集は少ぅし肌触りが違う・・・か?

 平穏に生活するために、心で求めているものとはほんの少し違う生き方をしている人たち・・・ここに描かれている人たちの感情には、現実の生活を滅茶苦茶にしながらも、心が求めるものに真摯に、忠実であろうとした激しすぎる女達よりも、はるかに共感できる部分が多いはずなのに、何かフィクションめいた、遠いお話のように思えるのは何故だろう?

 ・・・しかし・・・ここに収められた5つの短編にはどれも、タンゴがからむのだ。

 激しすぎる情熱に自分の生活と魂を捧げ尽くすのではなく、しっかりと生きていく為に、自分の情熱・心の一部に蓋をした男・女。哀しみと、情熱と、諦念と、生きていく力と・・・語られず、現実の行動としては現れなかった、彼、彼女らの秘められた感情は、すべてタンゴという音楽に、ダンスに託されてそこに描かれたはず。

 タンゴという音楽も踊りも知らない私は、そこに託されたものを、その感触を読みつくすことができない。悔しい。

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