2009-05-16

信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス : 宇月原晴明

 口伝に曰く『信長公は両性具有(ふたなり)なり』と

 
 何だか魔術(マジック)を見せられているみたい。

 シリアの太陽神・バール信仰、<渡りの神)牛頭天王、黙示録、神話に語られる剣と石、信長に纏わる伝承、俗説・・・・・・。西方から流れてくる妖しげなモノどもに、東洋の東の果て・日本の戦国時代を掛け合わせると、何と! 美少女の姿をした信長が現れる。

 片や物語、片や論文 ~ 散在するピースを、物語を紡ぐ為に組み上げるか、真実を見つける為に配置していくか、という明らかな違いはあるけれど、ばらばらに散らばっていたピースが定められた場所に嵌っていくに従って、ひとつのストーリーが立ち上がってくるあたり、梅原猛の古代史に関する論文を読んでる時の感覚に似ている。

 
 バール=牛頭天王信仰を介して、信長に重ねられるローマの少年皇帝ヘリオガバルス ~ 統一と破壊の異常な情熱を持つ二人の王。そしてその情熱の残滓は、20世紀ヨーロッパに現れた、もう一人の“統一と破壊の王”へ。

 古代シリア、ローマ帝国、キリスト教世界、天竺から中国を経た仏教思想・・・ユーラシア大陸の歴史~時を、場所を自在に往還して物語は語られるのだけど、残念ながら私には西洋への関心と知識が決定的に欠けている為、多分その物語の半分くらいしか楽しめていない。ひたすら、異様な信長像を中心に描きなおされる戦国武将たちの戦いの顛末のみ貪り読んで、脳内モニターに映し出す。


 美しい少女のような信長・・・っていうのは、私の妄想力の限界を超えているが、毘沙門天の化身・堅物の謙信が、第六天魔王・信長に誘われた夢幻の中で殺される場面は、うっとりするような妖しい美しさ。

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