2009-05-02

安徳天皇漂海記 : 宇月原晴明

 最後の頁を閉じてしばし放心の後、号泣。 「実朝ォォォォォォ~!!!」

 第一部「源実朝篇」を読みながら、ふと、皇なつきさんが岡本綺堂の戯曲を元に描くところの「修善寺物語」~頼家の姿が頭をよぎる。皇なつきさんの手による二代将軍頼家は、気高く、激しく、そして、あわれに哀しかったけれど、この物語に描かれる三代将軍実朝の姿は、それに勝るとも劣らず美しく哀しい。

 自らの身の負った罪と、将軍とは名ばかりの己の無力さに苛まれながらも、この国を守ろうとした若き王。

 その実朝が自らの首を捧げて鎮めんとした荒ぶる魂。壇ノ浦の戦に敗れ、西海に沈んだ後も琥珀色の玉に包まれ、変わらぬ姿のまま生きつづける幼帝。

 第二部は「マルコ・ポーロ篇」。怨恨・絶望・無念・悲哀を呑んで、大海を漂う安徳帝の魂は、遥か大陸、クビライ・カーンの夢に現れ、滅び行く南宋の幼皇帝と交感する。


 一瞬の間に見た幻とも、遥かな神代から続く壮大な叙事詩ともつかぬ物語。妖しく輝く光に幻惑され、現と幻の間を大きくうねる大海の波に巻かれ、辿り着いたその先・・・

 しばしの放心。そして号泣。

 「実朝ォォォォォォゥ~~~~!!!!!」

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