2009-03-21

弄月記 : 赤江瀑

 ああ! 赤江瀑だ! この妖しさ! 狂おしさ! 説明のつかなさ!

 人の行く道と一瞬交叉する、目に見えぬ魔の道。心の内に静かに醸される魔。

 いつ何時、人をとらえてしまうのか、そこに立ち現れてくるのか・・・計り知れない、日常を生きる目には決して見えないはずの妖しい逢魔の時を、目の前に現出せしめる十二編の短編。

 冒頭の情景だけで、いきなりこの世ならぬ世界へと攫い、続く言葉で更に深く深く・・・深淵へと導く。そして・・・引いていた手をいきなり離すかのような不意の幕切れ、身動きすらかなわない崖の突端に、あるいは真っ暗な闇の只中に立たされる。赤江瀑独特のリズム・うねりに思うさま翻弄される。

 中でも表題作『弄月記』 ~ 亡き妻の言葉に従い、廃村の山に照る美しい月を訪ねた画家の懊悩と、死に場所を求めて月の美しい山を彷徨う老女形の姿- 月の光の印象があざやかで、その月の光の照らす世界が妖しい。

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